2018年の夏に、群馬県の湯宿温泉に行ってきました。
湯宿温泉とは
東京から在来線列車数本を乗り継いで後閑駅に行き、そこからバスに30分ほど乗り「湯宿温泉」で下車したところに、湯宿温泉という小さな温泉街があります。
この湯宿温泉は宿が数件のみ(+共同浴所が4件)のマイナーな温泉地です。通常はよほどの温泉好きか大峰山あたりへの登山者くらいしか行くことがないのですが、もう1パターンとして、漫画家つげ義春氏のファンの人が訪れることがあります。
私はつげ氏の作品のファンなのですが、湯宿温泉は代表作『ゲンセンカン主人』のモデルとされています。その中でも今回は大滝屋旅館に宿泊しました。
大滝屋旅館へのアクセス
JRの後閑駅に行き、そこからバスに30分ほど乗り「湯宿温泉上」で下車して徒歩5分程度で行くことができます。
なお後閑駅に在来線で行くのは結構時間がかかります。面倒であれば上越新幹線で上毛高原駅に行くと時間を短縮できます。後閑駅から乗るバスに、上毛高原駅からも乗ることができます。
今回下車した「湯宿温泉上」というバス停の他に、「湯宿温泉下」「湯宿温泉」というバス停もあります。「湯宿温泉下」「湯宿温泉」は隣り合っているものの、湯宿温泉の次のバス停は「湯宿温泉上」ではなく「たくみの里」で、そこに行くために三国街道を外れていきなり山の中に入っていきます。路線図を理解していないと「湯宿温泉上に行かずに全然違う道に行ってしまった!降り損ねたか!?」と驚くかもしれません。
これは湯宿温泉バス停を分岐として三国街道から外れている「たくみの里」に立ち寄るルートになっているためで、「たくみの里」に停まった後は再度「湯宿温泉」に戻り、その次に「湯宿温泉上」に行くのでご安心を。もし不安であれば、「湯宿温泉下」や「湯宿温泉」で降車しても「湯宿温泉上」へは徒歩5分程度で行くことができます。
大滝屋旅館
大滝屋旅館のサイトはこちら。
https://yujuku-onsen.com/otakaya-ryokan/
なお『ゲンセンカン主人』ではかなり古い建物のイメージでしたが、数年前にリニューアルしたためキレイな旅館になっていました。
https://yujuku-onsen.com/gensen/
この宿の中にも当然ながら浴場はあります。後述の共同浴場は古い建物だったり地元民向けのものだったりするので、共同浴場に行くのがハードルが高いという方は、この宿の中でも入浴できます。
共同浴場
上述の通り、湯宿温泉には共同浴場があります。
とりあえず旅館のお風呂で体を洗った後、共同浴場の中では大きい方である窪湯へ。洗い場は実質的に無いものの、湯船は数人が入れそうな大きさでした。私が入ったときは偶然にも地元の方が入浴中。ネット上の情報では湯宿温泉の源泉は相当熱いとなっていたものの、思ったほど熱くはないなと思って地元の方に話を聞くと、ホースで水を流し込んでいたようでした(実際、何もしないと非常に熱いらしいです)。その方が浴槽から上がる際にホースを片付けていたのですが、壁にホースを掛ける場所が作られていたくらいなので、水で温度調整するのがデフォルトなのでしょう。
季節が夏で、湯宿温泉自体が少しずつしかし確実に新しくなっているため、作品に出てくる当時の面影は消えつつあります。
しかし歓楽街がなく(食事や飲酒ができるお店は近くにあるが、深夜まで飲むようなところではない)、携帯の電波も届きにくく(私が泊まった部屋ではWiMAXルータに付いているau 4G LTEは圏外。なお旅館に宿泊客用のWiFiは別途飛んでいた模様)じっとする他ない温泉街は、ある意味で普段生活している世界から切り離された場所のようでもあり、再度ふらっと行ってみたくなる魅力は確かにありました。
余談:JR後閑駅前のバス転車台
JR後閑駅前でバスに乗ったのですが、バスを待っていると何やら怪しいターンテーブルがありました。そもそも今は稼働しているのかどうか…。よく見ると、奥の方で紐が上からぶら下がっています。
バスがやってきてお客を下ろすと、そのまま転車台に。運転手が紐を引く(バスが前進して転車台に乗ると、ちょうど運転手席の窓のあたりに紐がくるので、運転手は自席で座りながら紐を引くことができる。うまいこと考えて作ったものだ)と、ターンテーブルが半回転しました。駅前には多少のスペースはあるので、わざわざこんな大掛かりな装置を作らなくても、切り返しすれば方向転換できそうなものでしたが…。以前はもっと狭くて回転できなかったとかでしょうか?